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「スキル転換革命」の中心となる要素

2023 年のダボス会議で私が学んだことの 1 つは、世界のリーダーたちは未来の仕事に向けたスキル転換とトレーニングの必要性を理解しており、その機運を高めるための重要な取り組みが現在進行中であるということでした。
世界のリーダーたちは、年に一度、ダボスで開催される世界経済フォーラム (WEF) に集まり、人類の足跡における重要な分岐点について議論し、それを乗り切る方法についてアイデアを出し合います。オートメーション・エニウェアは、人工知能 (AI) と未来の仕事について独自の洞察を提供する「ユニコーン パートナー」として、2023 年の会議に招待されました。
オートメーション・エニウェアの CEO である Mihir Shukla は、パネル セッション「AI and White Collar Jobs (AI とホワイトカラーの仕事)」に参加しました。このセッションは、Axios 社のチーフ テクノロジー コレスポンデントである Ina Fried 氏の司会で進行されました。そのほか、WPP 社の創業者であり、S4 Capital 社のエグゼクティブ チェアマンである Martin Sorrell 卿、DataKind 社 CEO の Lauren Woodman 氏、Jerry Yang and Akiko Yamazaki Professor であり、スタンフォード人間中心 AI 研究所 (HAI) の上級研究員でもある Erik Brynjolfsson 氏 (スタンフォード デジタルエコノミー ラボのディレクターも兼任) がパネリストとして参加しました。セッションでは、AI の革新性、最善の利用法、スキルの高い従業員への影響、この避けられない変革に対する社会の各方面の準備状況について多くの議論が交わされました。
オートメーション・エニウェアは、スキル転換革命の核となる革新的なロボティック・プロセス・オートメーション (RPA) ベースの AI テクノロジーであるインテリジェント オートメーション プラットフォームを提供します。当社は、お客様や非営利団体、そしてサービスの提供先である個人がこの変革の波に乗り遅れないよう支援しています。貧富の差の拡大、10 万人以上の難民の雇用問題、将来の労働力の減少による生産性の低下など、世界の喫緊の課題を解決するうえで、未来の仕事に備えスキル転換を図ることが有効だと私たちは考えています。
オートメーション・エニウェアの洞察: スキル転換の必要性
Mihir Shukla は、生産性は、世界が次のレベルに進化するための基盤であると考えます。国が繁栄するためには、人口が減少するスピードよりも、経済全体の生産性を高めるスピードを上げる必要があります。今後 50 年間、多くの地域で人口が減少または横ばいになる中、生産性を高めるには、同じ人数の人が、持っている技術や道具、商品 (オートメーションも含む) を利用してより多くのことを行うしかないと、パネルセッションで訴えました。
「世界は成長に向かって動いているので、このテクノロジーの最適な使い方を考えなければなりません」と彼は見解を述べました。「自動化できるすべてのものを自動化すべきです。社会の労働力が減少する中で、より多くの富を築き、より良い健康、教育、その他の重要なシステムを構築するためには、これ以外に方法はありません」
ダボス会議での Mihir やほかの専門家の話は、自動化がすでに定着しつつあることがわかる驚きの内容でした。WEF が発表した「Future of Jobs (未来の仕事)」レポートによると、2025 年には、職場で作業に費やす時間が人間と機械で同じになると言います。WEF の試算では、労働力のスキルアップにより、2030 年までに世界経済に最大 8.3 兆ドルがもたらされます。また、今後 10 年で、11 億件の仕事がテクノロジーによって激変すると予測しています。
では、希望する誰もが、急速に変化する仕事の将来像に近づく方法はあるのでしょうか。
それは、新しい技術スキルの習得です。
想像を超えるスケールの革命
WEF の「Reskilling Revolution」プラットフォームは、2020 年の発足時に 10 億人 (世界の労働力の 3 分の 1) のスキル転換を目標に掲げ、すでに 3 億 5,000 万人の人々にスキルアップ、雇用、教育の機会を提供しています。しかし、2023 年のダボス会議のパネル ディスカッション「Preparing 1 Billion People for Tomorrow's Economy (明日の経済に向けて 10 億人の準備を進める)」では、スキル転換を必要とする人々に関する予想が、世界の労働者の 3 分の 1 から 2 分の 1 以上 (16 億人) に引き上げられました。
「AI and White Collar Jobs (AI とホワイトカラーの仕事)」のセッションでは、Mihir Shukla が、AI に関するスキル転換や生涯学習が重要になる背景を説明しました。「AI への移行に伴う重要な課題はスキルの転換です」と述べました。「重要なのは、できることを増やすことです。現在ある 1 億のプロセスのうち約 20% は技術的または経済的に不可能であったため、AI の登場以前には実行されていませんでした。3 ~ 4 年後には 40% まで伸びると推測しています」
オートメーション・エニウェアは、当社のテクノロジーとトレーニング プラットフォームが人々の生活に大きな影響を与えていることを誇りに思い、何百万人もの人々が今までできなかったことを成し遂げられるよう、スキル転換を応援していきます。
オートメーション・エニウェアの革命的な進化
当社のミッションは当初からヒューマン イネーブルメントであり、スキル転換に焦点を当てた戦略を展開してきました。私たちは、お客様の従業員のスキルアップやスキル転換を支援するのと同様に、経済的に恵まれない人々が「未来の仕事」に備えたスキルを身に付け、安定した収入を得られる有意義な仕事を見つけ、何世代にもわたる貧困層の連鎖を断ち切れるよう取り組んでいます。
当社はまず製品から着手し、コーディングの経験が一切ない、あるいは少ししかない人でも簡単に Bot を構築し、作業できるようにしました。当社の Automation Anywhere University (AAU) では、RPA を利用するさまざまな職務に対応した 100 以上のオンライン コースを提供しています。あらゆる職業や地位の人々が参加する AAU では、コースの修了が 200 万件に及び、3 つのレベルで 219,000 件の認定取得が実現しています。AAU ではライブのバーチャル クラスに加え、オンデマンド オプションも提供されているため、すき間時間を活用した学習と短期間での認定取得を可能になり、忙しい職務の合間に簡単にトレーニングを受講することができます。
お客様の事例: 革新的なパートナーのスキル転換
自動化に関するスキル転換が生涯学習プロセスの一部であることを認識している多くのお客様が AAU と提携し、従業員にシチズンディベロッパー トレーニングを提供しています。
ある健康保険会社の看護師は、患者を看た後、複数のシステムに患者の記録を入力する面倒な手作業に、さらに時間を費やしていました。このため、健康保険会社の Humana 社は、看護師を含む数十人の従業員に AAU の RPA トレーニングを提供することにしました。自社プロセスのステップを自動化することで、何時間もの時間を削減し、業務改革に成功しました。
また、コロナ禍で自動化をいち早く導入した英国の国営医療サービス (NHS) は、患者が抱える問題を解決するだけでなく、オペレーション全体で年間数十万時間に及ぶ職員の時間を取り戻すため、広範囲に自動化を導入しました。NHS は現在、170 万人の職員のうち、自動化について学びたい人にトレーニングを提供しています。自動化に適したプロセスを特定し、シンプルでカスタマイズ可能な自動化を作成し、それを保守、修正する方法を学んだ卒業生は、「忍者ブルー ベルト」の Automation 360 開発者として認定されます。
GM Financial 社は、2021 年に 3 日間の Citizen Bot Builder プログラムを実施し、RPA 未経験の従業員 50 名が Automation 360 を使って自社システムのプロセスの自動化について学びました。GM 社はこれらの自動化を全社的に展開し、さらに多くのビジネスをサポートするために数十の自動化を導入しました。
ソーシャル インパクト: 成功するためのツール
私たちは、より平等で富のバランスの取れた社会の実現には、より適切なスキルアップが必要であり、そうすれば、機会に恵まれない人々も高給の仕事と良い暮らしを手に入れることができると考えています。私たちは、責任ある地球市民として、アメリカやインド亜大陸、アフリカなど世界のさまざまな場所で当社やその他のトレーニングに普段アクセスできない人々に対し、無料でトレーニングを提供しています。私たちは、リスキリング パートナーの活動を非常に誇りに感じており、それが WEF の目標と意図に非常によく合致していることを大変嬉しく思います。
インテリジェント オートメーションに関するソリューション、サービス、スキル開発を提供する leriba.ai 社を例に挙げましょう。アフリカの女性 100 万人に RPA スキルを習得させるという志を持つ同社は、2021 年、Automation Anywhere RPA で 700 人の人々にリモートでトレーニングを行いました。その後少なくとも 400 人がこのスキルを生かせる仕事に就くことができました。
leriba.ai 社の創業者兼 CEO である Tholang Mathopa 氏は、「私たちは人々がスキルを習得し、競争力のある仕事、ひいては高い給与を得られるように経済、知性の両面から支援しています。アフリカの深刻な失業率は、未来の仕事に備えてスキルを身に付けることで未来のデジタル経済に容易に参加できるという認識が欠けていることが原因の 1 つです。地域コミュニティ全体にスキル開発の波及効果を生み出したいと考えています」と述べています。
オートメーション・エニウェアは、恵まれないコミュニティでこれを実現するために、ソーシャル パートナーと協力して、特に次のような取り組みを行っています。
- コストの障壁を緩和するために AAU のトレーニングを無料で提供
- 無料ライセンスを利用して安心して練習に励み、自信をつけ、仕事の獲得につなげる
- 通常 1 ~ 2 年の学習が必要なマスター認定、アドバンスド認定を 3 ~ 6 ヶ月で取得可能に
- 効果的なスケーリングを可能にする「トレーナー イネーブルメント」モデルを導入
- ソーシャル インパクト パートナーとの連携により、技術的なトレーニングに加え、必要性の高いソフト スキルのトレーニングも提供
また、ビジネス プロセス アウトソーシング (BPO) 企業である米国の PeopleShores 社やインドの RuralShores 社とも幅広く連携しています。
ミシシッピ州クラークスデールでは、18,000 人の住民のうち 3 分の 1 以上が貧困層にあたるため、PeopleShores 社と協力して RPA カリキュラムとセンター オブ エクセレンス (CoE) を立ち上げました。この公益法人 (PBC) は、米国の貧困コミュニティに雇用をもたらし、雇用する従業員に数百時間の基礎訓練、技術訓練、工程訓練を有給で提供しています。
同様に RuralShores 社は、インドの農村部において、貧しい農家の出身者で教育を受けている若者を雇い、訓練しています。「インドの農村部の若者の 40 ~ 45% が大都市に移住し、稼いだお金をすべて生活費に使い、家族と縁を切っています」と、RuralShores 社の CEO である Colonel Ravi Gupta 氏は説明します。「これまで、26,000 人以上にスキルを身に付けさせ、16,000 人を地元で雇用しました。この結果、村のエコシステムが回復し、各家庭の家計も増えました。自動化技術のおかげで、時代に取り残されることはありません」
95% の人が AI を活用する未来
オートメーション・エニウェアは、トレーニング プラットフォームを提供してきた実績と、スキル転換のためのターゲットを絞ったソーシャル インパクト プログラムは当社にしか実現できないと考えています。私たちは、アクセシビリティを向上させ、より平等な仕事の未来を推進する責任あるテクノロジーの開発に取り組んでいます。また、これらのプログラムを拡大し、世界が変化していく中で、ソリューションの一端を担うことに力を注いでいます。
ダボス会議で私たちは、社会の重要なニーズと AI がもたらす影響を考えると、従業員やお客様、機会に恵まれない人々のスキルアップとスキル転換への投資は正しいものであることを確認しました。当社の予測では、現在の人間の仕事の 95% は、いずれ人々が Bot と肩を並べて働きながら処理されるようになると見ています。多くの人が AI のスキルを身に付け、容易に対応できるようになると、私たちの多くがコンピューターを使って仕事をしているのと同じように、AI がごく自然な存在に感じられるようになるでしょう。
この革命が進むにつれて、私たちは今までできなかったさまざまなことを一緒にやっていくことになります。現代の社会では、スキル転換が重要視されており、これからは、私たち一人ひとりがこの重要な課題に取り組んでいくことが求められます。
オートメーション・エニウェアが世界各地の NGO と連携して取り組んでいるスキル転換の活動について詳しくは、ソーシャル インパクトのウェブページをご覧ください。
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概要 Neeti Mehta Shukla

会社の共同設立者でありソーシャル インパクト責任者でもある Neeti は、技術的なスキルアップと世界にメリットをもたらすオートメーションの実現を通じ、非営利団体の支援と社会的弱者の生活向上に取り組んでいます。
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