Automation Anywhere、会話型AIのリーディング企業Boost.aiの買収に向けた最終契約を締結し、音声・会話型AIとエージェント型自動化を統合し、顧客対応から社内業務の実行までを自律化。「自律型企業」の実現を加速

エンタープライズ向けエージェント型自動化およびオーケストレーションをリードするAutomation Anywhere(オートメーション・エニウェア)は本日、会話型AIのリーディング企業であるBoost.aiを、Nordic Capitalから買収するための最終契約を締結したことを発表しました。

Boost.aiは、企業向けの会話型AIおよび音声AIソリューションを提供しており、世界各国の企業が顧客体験の向上に同社の技術を活用しています。本買収は、通常必要とされる規制当局の承認およびその他の取引完了条件を満たすことを前提に、2026年第4四半期中に完了する見込みです。

今回の買収は、Automation Anywhereが掲げる「自律型企業(Autonomous Enterprise)」の実現に向けた重要な一歩となります。自律型企業とは、企業の業務機能の最大80%をAIによって自律的に、またはAIの支援を受けながら遂行することを目指す新たな企業運営モデルです。

Boost.aiの会話型AI・音声AI技術をAutomation Anywhereのエージェント型自動化プラットフォーム(APAプラットフォーム)と組み合わせることで、顧客や従業員からの問い合わせや依頼をAIが理解し、その対応に必要なミドルオフィスやバックオフィスの業務まで一貫して実行できるようになります。

Automation Anywhereは2025年末にも、企業内ナレッジの活用と従業員向けサービスの自動化に強みを持つAiseraを買収しています。今回のBoost.aiの買収により、従業員向けサービスに加えて顧客対応領域にも自動化の対象を広げ、企業全体の業務を包括的に自律化するソリューションの提供を目指します。

Automation Anywhereの会長兼CEOであるミヒル・シュクラ(Mihir Shukla)は、次のように述べています。

「当社は、お客様の業務の自律化を推進し、AI投資から得られる効果を最大化するための支援を続けています。今回の買収により、当社のソリューションをさらに進化させることができます。

あらゆる企業の業務は、大きく分けて『顧客へのサービス提供』『従業員の支援』『事業運営』の3つで構成されています。しかし、これらの業務の多くは、それぞれ独立した仕組みで運用されています。

Automation AnywhereとBoost.aiの技術を組み合わせることで、この3つの領域すべてにおいて、AIが人の声や要求を理解し、判断し、実際の業務を遂行する自律的なオペレーションを実現していきます。これこそが、当社の目指す『自律型企業』の姿です」

Boost.ai:規制の厳しい業界で実績を持つ会話型AI・音声AI

Boost.aiは、欧州を中心に世界各国の数百の企業・組織にソリューションを提供しています。特に金融サービス、通信、保険など、厳格な規制や高度なセキュリティが求められる業界に強みを持っています。

こうした顧客基盤は、複雑な業務プロセスを持つ世界数千社の企業を支援してきたAutomation Anywhereの事業領域とも高い親和性があります。

Boost.aiのプラットフォームは36以上の言語に対応し、GDPR(EU一般データ保護規則)やHIPAA(米国医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)の要件に沿ったセキュリティおよびプライバシー保護対策を備えています。また、独立した第三者によるSOC 2報告書によって、その管理体制が裏付けられています。

技術面では、自然言語理解(NLU)と生成AI、エージェント型AIを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャを採用しており、実際の本番環境において90%以上の問い合わせ解決率を達成しています。

さらに、Boost.aiはGartnerの「Magic Quadrant for Conversational AI Platforms」に4年連続で選出されており、規制産業における強みと明確な製品戦略が評価されています。

会話型AI市場が拡大する中、特に音声AI技術は大きく進化しています。Boost.aiの音声AIは、人間同士の会話に近い自然な対話を実現しており、営業、カスタマーサービス、医療、アウトバウンドコール、フィールドサービスなど、幅広い領域での活用が期待されています。

Boost.aiのCEOであるジェリー・ヘイウッド(Jerry Haywood)は、次のように述べています。

「Boost.aiは、規制の厳しい業界で培ってきた豊富な経験を通じて、会話型AIや音声AIが、企業に求められる信頼性、コンプライアンス、ガバナンスを確保しながら、大規模な業務環境でも活用できることを実証してきました。

Automation Anywhereに加わることで、音声を含む顧客との対話を、実際に業務を遂行するシステムや担当者と直接つなぐことが可能になります。これにより、顧客からの依頼を受け付けるだけでなく、その解決に必要な業務を最初から最後まで一貫して実行できるようになります」

Conversation-to-Outcome Loop(会話から成果創出までの一貫したプロセス)を完結させる

これまでの企業向けAIは、AIコパイロットやAIエージェントによって個々のタスクを支援・自動化することが中心でした。

Automation Anywhereは、AIの可能性をさらに広げ、顧客や従業員からの依頼を受け付けた後、その対応に必要な一連の業務プロセスを完了まで自律的に実行することを目指しています。人による判断や例外対応が必要な場合にのみ担当者が介入することで、効率性と適切なガバナンスを両立します。

Automation Anywhereの共同創業者兼最高執行責任者(COO)であるアンクール・コタリ(Ankur Kothari)は、次のように述べています。

「AIによる真の変革は、AIエージェントの性能や数を評価する段階から、ビジネスの成果を起点として業務そのものを再設計する段階へと企業が進んだときに実現します。

Boost.aiとの統合により、当社が『Conversation-to-Outcome Loop(会話から成果創出までの一貫したプロセス)』と呼ぶ仕組みを完成させることができます。

顧客や従業員が求めていることを伝えると、AIがその意図や背景を理解し、企業のルールに基づいて判断・推論を行います。そして、AIエージェント、人、システムを連携させ、必要な業務を企業内のさまざまなアプリケーションやシステム上で実行することで、最終的な成果につなげます」

今回のBoost.aiの買収と、先に実施したAiseraの買収を組み合わせることで、Automation Anywhereは、AI時代に企業が変革を求められる以下の3つの重要な業務領域を包括的に支援することを目指します。

1. 顧客対応業務の自律化(Autonomous Customer Operations)

音声、チャット、デジタルチャネル、AIエージェントを通じて受け付けた顧客の問い合わせや依頼を、その解決に必要な業務プロセスと直接連携させます。単なる質問への回答にとどまらず、顧客が求める結果を実現するための業務実行までを支援します。

2. 従業員向け業務の自律化(Autonomous Employee Operations)

AIを活用した従業員向けサービスとエージェント型自動化を組み合わせ、IT、財務、人事などの部門に寄せられる従業員からの問い合わせや依頼に対応します。人による判断や例外処理が必要な場合には担当者が対応し、それ以外の業務の自律化を推進します。

3. 企業の基幹業務の自律化(Autonomous Business Operations)

エージェント型自動化プラットフォームを活用し、ERP、CRM、その他の企業向けアプリケーションを横断する重要な業務プロセスを、エンドツーエンドで統合・実行します。企業レベルのガバナンスを確保しながら、AIエージェントとルールベースの自動化を組み合わせ、複雑な業務の自律化を実現します。

Automation Anywhereは、顧客対応、従業員支援、企業の基幹業務という3つの領域を横断し、会話による依頼の受付から実際の業務完了までを単一のソリューションでつなぐ、他に類を見ない包括的なソリューションの提供を目指しています。

AI事業の成長を背景に、自律型企業向けソリューションをさらに強化

今回の買収計画は、Automation AnywhereのAI事業における成長をさらに加速させるものです。

2027会計年度第2四半期の業績発表によると、過去6四半期における新規および既存顧客への追加販売の受注額のうち、AI関連が約70%を占めています。また、エージェント型AIの実行件数は過去1年間で5倍に増加しており、現在ではAIエージェントおよび自動化の実行件数が年間約5億件に達しています。

Boost.aiの技術が加わることで、Automation Anywhereの中核となるAIソリューションは、音声AIおよび会話型AIの機能が強化されます。これにより、特に規制の厳しい業界における顧客対応などのフロントオフィス領域への展開を拡大していきます。

企業は今後、Automation Anywhereが提供するエージェント型自動化・オーケストレーションプラットフォームに加え、最短1週間で導入可能な構築済みのエージェント型ソリューションを活用できるようになります。

さらに、これらのプラットフォームやソリューション、高度なAIエージェントに加え、Forward-Deployed Engineer(顧客企業に密着して技術導入や業務変革を支援するエンジニア)による支援サービスを組み合わせることで、企業全体の自律化を包括的に推進します。

なお、本取引において、Automation Anywhereの専属財務アドバイザーをBofA Securities、M&A法務アドバイザーをWinston Taylorが務めました。また、Boost.aiの専属財務アドバイザーをSantanderが務めました。

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