製造業であるボッシュグループでは、以前からデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を積極的に推進してきましたが、社内的な業務のデジタル化に向けたDX推進の遅れに課題を持っていたと語るのは、BBMドメイン業務プロセス管理部プロセスイノベーション&権限管理マネージャー田中 剛 氏です。そこで重要な施策の1つとして位置づけられたのがRPAでした。ただし、各事業部門で個別に予算化してRPAツールが導入されており、グループ全体で統一された環境ではなかったのが実態だったのです。一方で、ダイバーシティを重視している同社では、精神発達障害のスタッフ「B-associate(s)」(以下、B-a)を積極的に採用し、会社や社会への貢献活動を行っていますが、ここでも高いポテンシャルを持つB-aに難易度の高い業務に従事してもらえる環境づくりに課題を持っていたと、障害者雇用を支援する専任組織「業務サポートセンター」のセンター長 税所 博 氏は語ります。そこで注目されたのが、同社が注力するRPAを業務サポートセンターとして推進する活動でした。 RPAを通じて会社への貢献度を高めることで、障害者雇用の認知や理解を深めていきたいと考えたのです。
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「ほかのソリューションと比べてAutomation Anywhereはシンプルな構造で、まるで子ども向けプログラミング言語のScratchを扱うように開発が進められそうな印象でした」
お客様の成果
月単位で784
時間の業務改善効果を生む
社内業務におけるDX推進に向けて、グループとして利用する標準的なRPAを選択するべく各部門と調整を進めるなかで、最終的には本社管理部門が推していたAutomation Anywhereが選択されました。シンプルな構造であるAutomation Anywhereであれば、ユーザー部門でも扱えるため、RPAを社内に広めていくことも容易だと田中 氏は評価します。
その後、税所氏が業務サポートセンターとしてRPA推進に関わることを決断したタイミングで、田中 氏と接点を持つ機会を得たことで、同センターでもAutomation Anywhereを軸にRPAに取り組むことになったのです。
自動化されたプロセス
今後については、トップダウン型のプロセス改善を通じて、さらに大きな活動に広げていきたいとBBMドメイン業務プロセス管理部 プロセスイノベーション&権限管理 林 采泳 氏は力説します。日本としても、しっかりと効果を示していくことを意識したいと田中 氏は期待を寄せています。また、業務サポートセンターにおけるBot開発と重ね合わせるなど、さらなる成長につながるような活動を続けていきたいと税所 氏は力説します。
さらに、倉庫作業などいまだに多くの紙が利用されている物流の現場などでAI-OCR機能を持つDocument Automationを活用することで、現場のデジタル化をさらに効率的に支援できる環境を整備したいと田中 氏は語ります。
お客様の声
「業務の効率化によって会社に大きく貢献できるRPAだけに、プログラム経験がないなかでも参加したいと志願するメンバーが当初から多くいました。障害者雇用における自己実現を目指す有効な手段の1つだと言えます」
「できなかったことができるようになる面白さが体験できるなど、自分の可能性の広がりをB-aそれぞれが感じること ができるようになったのは大きい」
「現場からのボトムアップだけでなく、各部門の事業部長にて計画を立て、具体的なターゲットを決めたうえでRPAによる自動化を進めていくようなトップダウン型のプロセス改善に向けた活動を加速していきたい」
世界トップクラスの自動車機器サプライヤーとしてグローバ ルに事業を展開、日本では1911年より事業を開始したボッシュ株式会社。自動車関連機器を手掛けるモビリティ ソリューションズを中心に、産業機器テクノロジーやエネル ギー・ビルディングテクノロジー、消費財という4つの事業領域を展開しており、革新的なソリューションを提供し続けています。