PLMシステムの作業時間を5か月間で約200時間削減
入力ミスなどヒューマンエラーもゼロに
オートメーション・エニウェア・ジャパン株式会社は、大手制御・計測機器メーカーのアズビル株式会社が当社のRPAソフトウェア「Automation Anywhere Enterprise」を活用して、PLM(製品ライフサイクル管理)システム関連の業務を自動化し、5か月間で約200時間削減したことをお知らせします。
アズビルでは2017年5月にPLMパッケージ「Windchill®」を導入し、製品の企画段階から廃棄に至るまでの全行程で、設計図や部品表のデータを共有・管理してきました。同社では、パッケージのカスタマイズ費用と、アップデート時の検証作業を最小限に抑えるために、標準機能をできる限りそのまま利用して、業務プロセスを見直すという方法を選択しました。しかし、標準機能を活用することで、本来必要のない操作を求められたり、社内用語と画面の用語が異なったりといった、実際の業務との差分が生じてしまい、ユーザーの作業効率低下が課題となっていました。
これに対応するためアズビルではまず、「Microsoft® Excel®」ファイル形式の申請書を使用して行っているPLMシステムの管理業務を改善することにしました。当初、Excelのマクロや独自システム開発を検討しましたが、操作性やコスト面で課題が残ることから、WindchillのようなWebアプリケーションとの相性が良く、Excelのマクロと比較して操作が分かりやすいRPAソフトウェアの検討を始めました。
アズビルでは複数のRPAソフトウェアを比較しましたが、Windchillのインターフェースが複雑なため、ほとんどRPAソフトウェアでは処理できず、唯一自在に操作できたものが当社製品Automation Anywhere Enterpriseだったことから、2018年5月に株式会社日立ソリューションズの提案を受け、本製品の導入を決定しました。その後、適用範囲を検討するなかで、PLMシステムの管理業務以外の入力作業もRPAで自動化できることが分かり、パッケージ機能と業務とのギャップを埋めるツールとして本格展開することにしました。
同社では、RPAを業務に適用するにあたり、ユーザーが無意識に属人化させていた業務プロセスを単純化し、Bot化しやすいように見直しました。また、アプリケーションの不具合やネットワークの遅延などで万一、Botが止まってしまっても、止まった時点から再実行できるようにBotを設計しました。さらに、社内のガバナンスを効かせるために、技術標準部と社内IT部門が協力してRPAの利用に関するガイドラインの策定も進めており、現在は正式版の発行に向けて調整を行っています。
アズビルでは現在、PLMシステムのユーザー登録・削除、登録情報の閲覧許可、変更開始ワークフロー、変更実施ワークフローといった業務について、20以上のBotを稼働させて自動化しています。その結果、ユーザーがマニュアルで作業していた時に比べて、処理時間を5分の1から半分程度まで短縮することができたほか、本格運用を開始した2018年11月から2019年3月までの5カ月間では、約200時間の作業時間の削減を達成しました。また、従来発生していた入力ミスのようなヒューマンエラーもゼロに抑えることができました。
今回のシステムを本格導入する前の試験運用、導入支援、トレーニングも日立ソリューションズが行いました。オートメーション・エニウェアのRPAによって、PLMシステムにかかる業務効率が向上したアズビルでは今後、他部門への水平展開も視野に入れています。また、業務品質の向上も実現できたことから、今後は計画的にPLMシステム以外の業務にもRPAの適用を進め、さらなる業務品質の向上を目指していく予定です。
<参考資料>
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